masublog Written by Takeshi Emoto

失敗しないためのネットショップ開業の失敗事例15選【対策あります】

ネットショップ開業

ネットショップを開業したい人「ネットショップを開業したいけど失敗が怖い…いったいどんな失敗事例があるんだろう?失敗したときの対策も知っておきたい。」

こういった疑問に答えます。

本記事のテーマ

失敗しないためのネットショップ開業の失敗事例15選【対策あります】

本記事でわかること

  • ネットショップ開業後の失敗事例
  • 失敗しないための対策

記事の信頼性

記事を書いている私は、ネットショップ歴10年ほど。
現在も国内外で15店舗を運営し年商10億円を超えています。

読者さんへの前置きメッセージ

本記事では「これからネットショップ開業したいけど、失敗したくないから情報が欲しい」という方に向けて書いています。

この記事を読むことで、ネットショップを開業したあとに、どんな失敗事例があるのか。どんな対策があるのか。をイメージできるようになると思います。

私は10年以上ネットショップを運営していますので、正直なところ沢山失敗してきました。今回は、その沢山の失敗の中から厳選して15の事例と対策を執筆します。

それでは、さっそく見て行きましょう。

ネットショップ開業後の失敗【販売・マーケティング】

①:売上上がったけど計算したら赤字


ヒット商品が生まれ「売上が上がった〜」という喜びもつかの間。
利益計算したら大赤字だったという失敗です。

ネットショップの利益は以下の数字から計算します。

利益計算に使う数字

  • 売上(入金)
  • 原価(出金)
  • 売上手数料(出金)
  • 決済手数料(出金)
  • 物流コスト(出金)

入金から出金を引くと粗利益が出ます。

売上ー原価ー売上手数料ー決済手数料ー物流コスト=粗利益

実際によくあるのは「安売りしすぎ」のパターンです。

ダメな例(全て税抜)

  • 売上:1,000円
  • 原価:500円
  • 売上手数料:3.5%
  • 決済手数料:3.5%
  • 物流コスト:500円

計算するとこの様になります。

1,000円ー500円ー35円ー35円ー500円=マイナス70円

これでは、売上が上がるほど赤字が増えていきます。

赤字を出さないための対策

販売価格を決めるときは必ず利益計算する。

新商品を検討するときや、キャンペーン価格を出すときには予め必ず利益計算しましょう。

ポイントとしては「ゆとりある値付けをする」ことです。
例えば30%粗利を得たい場合は、最初の値付けを利益率35〜40%ぐらいで計算します。これにより、販売前から利益が出る商品かどうか?市場で戦える商品かどうかがわかります。

私はスマホアプリで計算するようにしています。
商品数が少ないと電卓でもいいですが、毎日販売価格を考える様になると電卓だと時間がかかります。

「計算機+ 式が見える電卓 Pro」というアプリがおすすめです。
» 計算機+ 式が見える電卓 Pro(iPhone)

広告が邪魔だったので600円ぐらい課金して利用しています。有料アプリですがかなり時短できます。スクショを貼っておきますのでご参考ください。
販売価格の利益計算例

②:広告費使いすぎによる利益低下


販売前の試算では利益が出ることになってたのに、後から計算すると赤字になってた。詳しく確認すると広告費を使いすぎて利益が出てなかったという失敗です。

ネットショップで使う広告は以下のものがあります。

ネットショップの主な広告

  • 検索広告
  • ディスプレイ広告
  • メール広告
  • アフィリエイト広告
  • その他

上位4つはすべてWEB広告です、その他にはチラシや新聞・ラジオテレビ広告を含んでいます。その他の広告は中小企業のネットショップで使うにしてはコスパが合わない場合が多く、計測しにくい問題もあるので今回は省きます。

WEB広告は、主に「売上成果」「クリック成果」「掲載」で広告費が発生します。
この中の「掲載」するだけで広告費が発生する広告を考えなしに使うと、失敗が多い様に思います。

「売上成果」の広告はアフィリエイト広告です。「クリック成果」の広告は検索広告とディスプレイ広告に多いと思います。

「掲載」の広告はメール広告やメディア内に掲載するバナー広告(純広告と呼ばれます)などがあります。

掲載するだけで広告費が発生する広告は、クリック(集客数)が多かろうが少なかろうが広告費は同じです。クリック数が多ければ良いのですが、クリック数が少ないとコスパが非常に悪くなります。

広告費を使いすぎないための対策

クリック単価で試算して広告を選別する。

例えば、検索結果の上部にでる様な「検索広告」はクリック課金です。
「1クリック40円」の様に広告費が発生するので計算しやすく、広告の良し悪しがわかりやすいです。

例えば100名クリックし5名が購入した場合、40円×100名÷5名=800円が購入者を1名獲得するための広告費になります。

①の利益計算に当てはめてみましょう。

  • 売上:5,000円
  • 原価:1,500円
  • 売上手数料:3.5%
  • 決済手数料:3.5%
  • 物流コスト:500円
  • 広告費:800円

計算すると利益が出ることがわかります。

5,000ー1,500ー175ー175ー500ー800=1,850円の粗利

つまりクリック単価に置き換えて計算すると、掲載課金の広告でも良し悪しがわかりやすいということです。

例えば、50,000円の掲載課金広告で5,000クリックが予想できる場合は50,000÷5,000=10円が予想のクリック単価です。

クリック数を予想する方法としては、広告を売る営業マンに質問しましょう。広告営業マンへプレッシャーを与えることができる上に、値下げ交渉ができるかもしれません。

もし、クリック数の予測すら言えない様な広告なら、その広告を買う価値はありません。そういうときは掲載課金の広告は使わずに、クリック課金広告を少額から試すなど費用対効果が高い広告に予算を割り振りましょう。

③:コンサルティング会社への丸投げで売れない

コンサルティング会社に依頼したけど全然売れなかったという事例です。
ネットショップ業界に入って半年未満のときに体験しました。

当時は社内にネットショップに詳しい人がおらず、社員の知人のコンサルティング会社へ依頼しました。コンサルティング会社というのは「経験を元に専門的な知識を提供し報酬を得る人たち」のことです。

私たちが無知だったのが悪いのですが、頼りきってしまい結果的には大赤字。売上も利益も出ませんでした。今ならわかりますが、彼らはマーケティングコンサルタントというかデザイナーでした。彼らなりに一所懸命やってくれてた感じはありますが得意なことが違ったのだと思います。

コンサルティングや代理店選びの対策

  • 社内に詳しい人間を置く
  • 成果報酬で依頼する

依頼主に知識がないと、依頼する相手を間違います。なので、社内に詳しい人間を置くことをおすすめします。

もし、あなたの職場に詳しい人がいない場合は、新しく採用するのもいいんですが、選考するための知識が無く困ると思います。
なので、まずはあなたや社員さんが勉強して詳しくなることをおすすめしています。

具体的な勉強内容は「ネットショップ開業の為に勉強すべきこと5選【ネットの知識ゼロでも問題なし】」の記事をどうぞ。

あとは、「成果報酬」で契約できるコンサルティング会社を選ぶことです。
めったに無いとは思いますが、自信があるコンサルタントであれば可能性はあると思います。

④:ロングテールで貧乏暇なし


作業量に対して収益が少ない結果に終わった販促施策の事例です。10年前ぐらいに良い施策と言われてたやり方で「ロングテール」という施策があります。

メイン商品に関連するけど、メインでない様な関連商品をたくさん出品して「広く集客しよう」という販促手法です。

ロングテールとは

ロングテール(英: long tail)とは、インターネットを用いた物品販売の手法、または概念の1つであり、販売機会の少ない商品でもアイテム数を幅広く取り揃えること、または対象となる顧客の総数を増やすことで、総体としての売上げを大きくするものである。引用:ロングテール – Wikipedia

ロングテール施策をやるためには、たくさんの商品を出品する必要があります。

たくさん出品するからといって、在庫を抱えるわけにはいきません。そういう時は受発注販売でお客さんへ直送できるドロップシッピングサービスを使っていました。

やりはじめてすぐに気づいたのですが、受発注販売は手間の割に利益が出ません。結果的に貧乏暇なしの状態になってしまいロングテールを辞めました。

昔は、検索エンジンのアルゴリズム的に効果があったんだと思いますが、最近は検索結果が日々変わります。100ページの役に立たない商品よりも1ページの素晴らしい商品の方が評価される時代なので、ロングテール施策はやめた方がいいと思います。

貧乏暇なしにならない戦略

中小企業にはランチェスター戦略がおすすめです。

ランチェスター戦略とは、マーケティングを「弱者の視点」と「強者の視点」で分析して経営戦略や販売方針を立案する手法のことです。大企業や先行企業に圧迫されている弱者は、経営資源の差が出やすい広域戦は避けて局地戦に持ちこむ。逆に強者は経営資源の多さを活かせない局地戦を避けて、エリア・サービスの範囲拡大を目指す。引用:ランチェスター戦略とは?弱者の戦略の解説とWebマーケティング活用法

大手がやっている商品と正面から戦わずに、少しずらして1点突破しましょう。
理由は資金力です。大手と競合すると最終的には資金力勝負になり負けるからです。

興味のある方はこの本がおすすめです。

⑤:売れ筋商品の陳腐化


ネットショップを続けていくと、売れ筋商品と言える様な「単品で数が売れる商品」が出てきます。そういった売れ筋商品をずっと変化させないままで販売すると、いずれは競合が参入し売上を奪われてしまいます。

なぜかというと商品が陳腐化し、古臭くなるからです。古臭い商品はお客さんから選ばれなくなり、競合の新製品に負けていきます。

売れ筋商品を陳腐化させないための対策

商品とページを改良し続ける。

商品を定期的に改良していけば、古臭さがなくなり陳腐化を防ぐことができます。
業界によりますが、商品自体の改良は1〜2年おきにおこないます。ページの改良は適宜おこなっていきます。

改良というのは機能アップだけで無く、お客さんが買いたくなるようなことも含んでいます。

改良方法の具体例

  • お客さんの声を元に商品を開発する
  • 商品改良後は、そのことをページに記載する
  • 累計販売数実績を販売ページに記載する
  • 高レビューを抜粋してページに記載する
  • 信頼のおける賞を受賞する

行列のあるラーメン屋が繁盛するように、社会的証明は信頼感につながり販売を加速させます。

売れたからといってそのまま放置せず、売れ続けるための対策を続けていきましょう。

⑥:発注したあとのレビュー悪化


商品補充の発注をした後に、レビューが悪化して売れなくなったという失敗です。
昔失敗したときは発注キャンセルもできず、また売れる様にするために大変な思いをしました。

国内仕入の商品であれば、発注から入荷までが短いので大量に発注する必要はありません。しかし、原価を抑えるために海外仕入をすることがほとんどですから、発注から入荷までに2〜3ヶ月はかかります。

海外仕入れは最低ロットが500個など大きいことが多いので、入荷待ちのときにレビューが悪化すると辛いです。

急に売れなくなることへの対策

最小ロットで発注する。

これに尽きます。
「売り逃しの機会損失」よりも「売れ残りの在庫過多」を予防する運営の方が長期的に商売が安定すると思います。

レビューが悪化しない対策

レビューキャンペーンをしましょう。
「到着後レビューを書いてくれたら◯◯をプレゼント」や「モニターキャンペーン」の様な感じです。レビューが付きやすくなる上に、高レビューがつきやすくなります。

ポイントは商品不良やお困りの際の連絡方法をキャンペーン案内ページにしっかり記載することです。こうすることで、レビュー内でご指摘をいただくことが減ります。

⑦:関連商品の増やしすぎによる在庫過多


ヒット商品ができると、売り逃しを防ぐためにバリエーションを増やしたくなります。
バリエーションを増やしすぎた結果、売れない商品が出てきて在庫過多になってしまいます。

国内仕入れで10個単位など少量であれば在庫過多にはなりにくいのですが、海外仕入で500個単位などになると注意が必要です。

売れ残った在庫はキャッシュフローを悪化させるだけでなく、保管料や管理費などの余計なコストを生みます。

関連商品を増やしすぎない対策

「バリエーションは3つまで」と決めてしまって集中的に販売促進をする。

商品展開の松竹梅という考え方があります。

  • 松(高級品)
  • 竹(定番品)
  • 梅(廉価版)

この様なイメージで、上中下の商品展開をすると中の「竹」が売れやすくなります。

竹はヒット商品のことなので、しっかり管理し在庫を切らさない様にします。
梅は竹が「高すぎる」「過度な機能」と感じるお客さんを逃さないための廉価版の商品です。松は竹では満足できないお客さんに向けた高級ラインです。

販売価格のイメージはこちら

  • 松:300円
  • 竹:100円
  • 梅:80円

在庫の積み方のイメージはこちら

  • 松:5個
  • 竹:1,000個
  • 梅:500個

商品数が増えすぎると販促や管理が行き渡らなくなるので、1カテゴリ3バリエーション程度がおすすめです。

ネットショップ開業後の失敗【商品仕入れ】

⑧:知的財産を侵害して販売停止


自分の商品が既に登録されている知的財産を侵害し、販売ができなった失敗です。

知的財産権制度とは

知的財産権制度とは、知的創造活動によって生み出されたものを、創作した人の財産として保護するための制度です。「知的財産」及び「知的財産権」は、知的財産基本法において次のとおり定義されています。引用:知的財産権について _ 経済産業省 特許庁

知的財産を侵害すると、違法なコピー品として扱われますので販売ができなくなります。仕入れた在庫をどこにも売れなくなりますので、大量に仕入れた時は大変なことになります。

ネットショップに関係する主な知的財産

  • 商標権
  • 意匠権
  • 特許権
  • 実用新案権

商標権は「商品・サービスに使用するマーク」を保護します。マークとはブランド名や商品名などのことです。ロゴの様な画像だけではなく文字列で登録されている場合もあります。

意匠権は「物品、建築物、画像のデザイン」を保護します。ネットショップでは商品の外観を登録することが多いです。

特許権は「発明」を保護します。特許がある商品に出会うことは少ないと思いますが、知的財産権の印象としては特許が保護する力が一番強い印象です。

実用新案権は「物品の形状等の考案」を保護します。考案の保護なので知的財産権で守るという観点では一番守れません。知的財産権に詳しくない競合への牽制にはなりますが、法的に守る効果は少ないです。

知的財産を侵害しないための対策

販売する前に知的財産を調査して侵害してないか確認する。

以下のサイトでは、知的財産権の登録状況が確認できます。
» 特許情報プラットフォーム|J-PlatPat [JPP]

ここでは、特許・実用新案、意匠、商標の出願〜登録状況までを無料で確認できます。
新商品を仕入れたり開発する際に検索して確認するようにしましょう。

注意点としては、表示されない場合が稀にあるということです。J-PlatPatの注意書きにも書いていますのでご認識の上ご活用くだください。

⑨:ロット不良による損失

仕入れた商品が全て不具合品というロット不良とそれに伴う販売停止・リコール(商品回収)に関わる損失です。

私が経験したのは海外で生産した商品でした。
小型のACアダプターでしたが2,000個入荷したうち、ほぼ全てが不具合品でした。
「高温になる」という安全性に関わる不具合だったので、メールや電話・はがきで購入済みのお客さんへご連絡し販売済みの商品を回収しました。

幸いご理解いただけるお客さんがほとんどで、対応自体はスムーズに進みました。
しかし、コスト面の損失は大きかったです。返金により売上が無くなっただけでなく、リコール対応の人件費と送料・返金手数料など多額のコストが発生しました。

ロット不良による損失の対策

  • 仕入元からの出荷前検品を行う
  • ロット不良時の賠償金について契約を交わす

まず、海外から商品を仕入れる場合は現地検品を行い合格した場合のみ買います。
現地検品の方法は、メーカーに依頼する方法と外注検品会社に頼む方法があります。メーカーに依頼する場合は、リスク回避のために支払いは後払いにします。

次に契約です。国内だと基本契約にあたるものを海外取引でも契約を交わします。全英語での契約書になりますが、その中にロット不良時の取り決めを必ず入れます。

もし契約が難しい場合は、国内商社を経由するしか方法はありません。どちらも難しい場合は、取引をしないか仕入れ数を少なくしてリスクを減らしましょう。

⑩:予約販売中に為替により原価UP


予約販売中に為替が円安になり原価がUP、そのまま受注をすると赤字になるという問題です。

クラウドファンディングを行う場合は特に注意が必要です。クラウドファンディングはプロジェクト開始後に価格を変更することが難しいです。なぜかというと炎上リスクがあるからです。

2022年の4月末〜5月ぐらいにかけて、ものすごく円安になりました。
ちょうどそのときに、クラウドファンディングのプロジェクトがあり5,000万円程度リターンが確定していました。円安になったので心配になり、利益を計算して真っ青になりました。

円安前の試算に比べ、400万円程度粗利が減っていたからです(真っ青)

幸い赤字ではなかったので、既に支援いただいてるお客さんはそのままにして、今後の支援条件を値上げして調整しました。これほど大きな円安は予想していなかったので勉強代として諦めました。

為替変動による赤字対策

販売価格設定をギリギリ黒字にしない。

EC事業者がやりがちな「安売り低利益」の販売価格設定はやめましょう。

安売りするしかない商品ジャンルは競合が多いレッドオーシャンです。そういった市場で安売り戦略をとると、最終的には資金力・スピード勝負になります。

我々の様な中小企業にとって、価格競争は貧乏暇なし・百害あって一利なしです。
自社の強みを活かせるジャンルを選び、独自性のある商品展開をすれば薄い利益で販売する必要はありません。

売れる商品の探し方は「あなたは何を売る?ネットショップで売れる商品の見つけ方【未経験でも大丈夫】」の記事をどうぞ。

⑪:仕入元との関係悪化による仕入れ不可

意識してない人が多いと思いますが、メーカーや商社との関係が悪くなると仕入れができなくなります。売れ筋商品でこうなると最悪です。在庫があるだけで売上になるのに、その商品を買えないからです。

関係が悪化する原因はいくつかあります。

  • 条件の折り合いがつかない
  • 約束を破るなどの不義理
  • 人間関係が良くない

日本人は「お客様は神様主義」の人が多いので、仕入元に偉そうな対応をする人多いです。買い手だから感情的にも優位に立つというのは古い考え方だと思います。インターネットが普及した現在は、メーカーや商社も販売先を選ぶからです。

また、交換条件の無い値下げ交渉などもよく見られます。私は外国人とも仕事をたくさんやってきましたが、変な交渉をする日本人は本当に多いです。

仕入元との関係悪化を防ぐ対策

  • お互い人間同士という意識を持つ
  • 短期的よりも長期的な関係つくり
  • ギブ&テイクの交渉をする

交渉事にもノウハウがありますので、本でも読んで勉強することをおすすめします。

⑫:支払ったあとに商品が届かない


商品を発注したあとに前払いで全額支払い。その後商品が届かない詐欺被害です。一般的には「取り込み詐欺」と呼ばれています。

支払いまでは相手は親切に対応するので、騙されやすいです。取り込み詐欺は実はよく聞く話なんですが、危機感の無いネットショップ事業者が多いと思います。

取り込み詐欺に騙されない対策

  • 意識的に注意する
  • 支払いは基本に後払いにする

「詐欺は自分のまわりには無い」という勘違いが被害を生みますので、意識的に詐欺に注意しましょう。

そして、仕入れの支払いは基本的に後払いにした方がいいです。しかし、初回の取引などお互いに良い関係ができていない段階は後払いができないことがあります。

そういう時は代金引換を利用します。
「はじめての発注は後払いか代金引換をする様に決めています」とはっきり伝えましょう。代金引換が断られることは少ないです。

⑬:必要な認証を取ってなくて販売できなくなった

販売するために、認証や認可が必要な商品があります。もし認証や許可なく販売すると、国から指摘を受けて販売ができなくなります。

例えば、コンセントやACアダプタなどの電源製品は規定の安全試験に合格し「PSE」マークを掲載しないと販売ができません。昔あるホームセンターが、売っていた電源タップのPSE試験をやっておらず、全品リコールしたというニュースがありました。

仕入れた商品が販売できなくなると、廃棄するしか方法が無くそのまま損失になってしまいます。

未認証商品のリスク対策

商品化する前に必要な認証や認可を確認する。

これしか方法がありません。

商品調査後に商品の見積もりを取ると「仕入れ価格が予想していたよりも安い」ということがたまにあります。経験上、そういう場合は必要な認証や認可がある場合が多いです。そうでなければ既に参入企業が多いはずです。

商品調査をする際には、必要な認証・認可も合わせて調査しましょう。

ネットショップ開業後の失敗【運営・顧客対応】

⑭:デザインやりすぎ

失敗というか、時間配分のミスになります。
ネットショップの集客は、商品ページ>TOPページの順番で多くなります。

例えば、商品ページへの集客が1,000人であればTOPページは10人程度です。この認識が足りないと、時間を使う優先順位を間違います。

よくネットショップでTOPページや店舗のデザインに時間をかける人がいますが、それは間違いです。なぜかというと、売上を上げるためにはまず集客が必要であり、先に書いた様に集客されるページはTOPページでは無く商品ページだからです。

デザインを変えても集客は増えません。時間とお金は有限なので、デザインは二の次にしてまずは集客を頑張りましょう。

ネットショップをやる前のイメージ

間違った集客イメージ

ネットショップをやった後のイメージ

正しい集客イメージ
あなたがこのブログにたどり着いたときと同じ様に、お客さんはTOPページでは無くコンテンツ(商品)ページに訪れます。

⑮:外注先のトラブル

コールセンターや物流会社などの外注先の業務が、トラブルにより止まってしまうことです。専門企業に依頼しているからと安心しきっている方はご用心ください。

実際にコールセンターで経験しました。ある朝「スタッフが3名急に退職し今日対応できる人がいなくなった」と言われたことがあります。
その時はどうしようもなく、慌てて社内で対応しました。

外注先のトラブル対策

  • トラブル時の社内対応を決めておく
  • 規模が小さすぎる会社を選ばない

トラブルは起こるものとした上で、トラブル時の対応を決めておくと混乱を防げます。
例えば、「コールセンターが止まったら、誰がどの様に顧客対応を行う」などです。

そもそもトラブル頻度を減らすという観点では、外注先の選別があります。
規模が大きい会社であれば、従業員数が多いのでトラブルがそもそも起こりにくいです。

外注先の選別は金額が安いという基準だけで選びがちです。
金額だけなく、会社規模などリスク対策の観点でも検討されることをおすすめします。

まとめ

ここまで、ネットショップ開業の失敗事例を書いてきましたがいかがでしたでしょうか?

すべてに言えることですが、事前に備えていれば大体の対策はできます。

対策の順番

  • 知識を得る
  • 対策する
  • 経験から次の対策をする

ネットショップで失敗しないためには、意識的な注意だけでは十分ではありません。

知識として、人に聞いたり・本を読んだり・YouTubeなどの動画を見たり・講座や勉強会を受けたりと地道な勉強が非常に大切になってきます。

毎日忙しくお過ごしかと思いますが、まずは一つ何でもいいので勉強を始めることをおすすめします。

以上です、
記事が参考になりましたら幸いです。